学科の概要

学部長メッセージ

新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、「不要不急」の外出を控えることが求められ、“不自由さ”を経験した私たちは、「もし、自由に時間を使えるなら、自分は何がしたいのだろうか」と、改めて真剣に考えたのではないでしょうか。観光学部観光まちづくり学科の教育の柱は、「地域の魅力を見つめて、地域を動かしていくこと」ですが、海外への渡航が難しく、県境をまたいで移動することさえもはばかられる今、これまでは「近いからいつでも行ける」からと意識していなかった国内旅行を楽しもうと考える人も増えているようです。「観光」という観点から考えれば、この状況は、自分たちの足元を見つめ直すことができ、観光まちづくりの視点を持つきっかけになると捉えることもできるでしょう。

東日本大震災を経験して以来、観光は「地域復興」の力にもなりえるということも言われるようになってきました。私たちも学部開設の構想当初から地域の減災や危機管理を学ぶ科目を準備してきましたが、災害をはじめ、今回のコロナ禍のような問題に直面したときに、地域として観光資源の質を向上させ、どのように対応していくかを考え、主体的にまちづくりに働きかけができる力を育んでいきたいと考えています。

観光学部(仮称)学部長(就任予定)
西村幸夫
教授
1952年生まれ。博士(工学)。東京大学工学部都市工学科卒業、同大学院修了。東京大学教授、同副学長、マサチューセッツ工科大学客員研究員、コロンビア大学客員研究員、フランス社会科学高等研究院客員教授、国際記念物遺構会議(ICOMOS)副会長などを歴任。専門は、都市保全計画、景観計画、歴史まちづくり、歴史的環境保全。

学科の概要

地域を主体とした
観光の在り⽅を追究する

これまで、観光というと、旅⾏会社や宿泊施設・観光施設など⼀部の産業側の論理から考えられがちでしたが、観光まちづくり学科では、観光に値する多種多様な資源を有する地域を主体とした観光の在り⽅を追究することが⼤きな特⻑です。地域を取り巻く内外の環境変化と課題を理解し、地域の魅⼒を再発⾒し、磨き上げ、地域経済の活性化へとつなげていく、“観光まちづくり”の⼿法を実践的に学びます。

歴史から都市計画まで
多様な視点で観光を捉える

もうひとつの特⻑が、⽂系と理系の垣根を越えて学べることです。これからの“観光まちづくり”では、統計やデータを活⽤しながら、⾃然、歴史や⽂化、公共政策や⾏財政、都市計画、事業マネジメントなどを俯瞰し、各分野の⼈々と協働する⼒が求められます。そこで本学部は、将来を⾒据え、⽂系と理系の垣根なく科⽬を柔軟に選択できるカリキュラムと、少⼈数単位で分野横断的な共同作業を⾏うフィールドワークを学びの柱としています。

観光学部での4年間

観光学部⼊学者受け⼊れ⽅針

(アドミッションポリシー)

観光学部では、観光や交流を通して持続可能な地域の形成及び振興に関する学問的な基盤を構築し、豊かな教養と学識をもち、地域社会の再⽣、活性化及びまちづくりに貢献できる⼈材を育成することを⽬的としています。
特にまちづくりの現場では、分野横断での作業が必要不可⽋です。基礎技術を⾝につけるだけでなく、既存分野の壁を越えて能動的に学ぶ向上⼼を保持し、積極的に地域に働きかけようという展望をもつ学⽣、特に観光やまちづくりに関⼼を有し、持続可能な地域社会の実現に向けて、多様な分野で活躍したいという意欲がある学⽣を全国から受け⼊れます。